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2026 年版 · Sdn Bhd 設立

Sdn Bhd の設立を、クアラルンプール現地から日本語で

Sdn Bhd (Sendirian Berhad、読み: センディリアン・ブルハド) は、マレーシアの株式非公開会社 (private limited company) で、日本の株式会社に近い形です。100% 外資可 (外資が 20% を超えると法人税 24%)。資本金は登記だけなら RM 1 からですが、就労ビザ (EP) を申請する会社は払込資本金 RM 500,000 (100% 外資) などが要ります。設立から銀行口座・Employment Pass の申請まで、日本語でサポートします。

最終更新: / 執筆: Bangga 編集部

24% 法人税 (外資の会社。中小の 15〜17% は外資 20% 以下のみ)
2〜6 週間 設立の所要期間
RM 1〜 資本金 (EP には RM 500,000 など)
日本人スタッフ KL 在住 · フォーム / メールでお気軽に

Sdn Bhd とは

Sdn Bhd (Sendirian Berhad) はマレーシアの株式非公開会社で、日本の株式会社に近い形です。100% 外資可・取締役 1 名以上・株主 1 名以上で設立可能。資本金は登記だけなら RM 1 からですが、就労ビザ (EP) を申請する会社は払込資本金が要ります (100% 外資 RM 500,000・合弁 RM 350,000。EP の節)。クアラルンプール (KL) の SSM に登記します。

24%法人税率 (外資 20% 以下の中小は 15〜17%)
100%外資保有可
2〜6 週間設立期間
RM 1〜資本金 (登記のみ。EP には RM 500,000 など)

このページでは、Sdn Bhd の設立の手順と必要書類、設立後の年間の義務をご説明します。ラブアン法人とどちらが合うかはマレーシアの法人設立 (Sdn Bhd かラブアンか)、設立と毎年の維持の費用の全体は設立費用と年間維持費にまとめています。

Sdn Bhd の法人税率 — 原則 24%

法人税の階段構造 (中小企業優遇)

課税所得税率 (中小企業 SME)税率 (非 SME / 大企業)
最初の RM 150,00015%24%
RM 150,001 - RM 600,00017%24%
RM 600,001 〜24%24%
SME 軽減税率の適用要件 — 以下 4 つを同時に充足する必要があります:
  1. 払込資本金 RM 2.5M 以下 (普通株、課税年度開始時点)
  2. 総事業収入 RM 50M 以下 (該当課税年度)
  3. 関連会社 (払込資本金 RM 2.5M 超) が普通株 50% 超を保有していないこと
  4. 外資保有率 20% 以下 (YA 2024〜、Finance Act 2023 で追加)

100% 外資の Sdn Bhd は SME 軽減税率の対象外、常に 24% 一律になります。

出典: LHDN 公開裁定 No. 8/2025「Tax Treatment for Micro, Small and Medium Companies」(2025-12-22) / LHDN «Tax Rate of Company» (会社の税率) / Finance Act 2023 (Act 845) (2026-10-03 確認)

源泉徴収税 (非居住者への支払い)

  • ロイヤリティ: 10%
  • 技術サービス料: 10%

SST (売上税・サービス税)

マレーシアの間接税の SST は、売上税 (Sales Tax) とサービス税 (Service Tax) の 2 つの税です。売上税は、マレーシアで製造して売る課税物品と、輸入する課税物品にかかる 1 段階だけの税で、税率は 5%・10% または品目ごとの額です。サービス税は、課税の対象のサービスの提供にかかり、事業のために国外から受ける課税サービスも含みます。

2025 年 7 月 1 日から、サービス税の対象に賃貸・リース、建設、金融、民間の医療・教育などが加わりました。税率 (8% か 6%) と、登録が要る売上の額は区分ごとに違います (一般の区分の登録の基準は、下の «設立後の手続きと年間の義務» の SST の項)。区分・税率・登録が要る売上の額は、関税局の MySST «FAQ Expansion of Service Tax Scope 2025» にあります。事業者どうし (B2B) の免除など、免除の条件は別に定められているので、当てはまるかは、契約や値付けの前に関税局か税理士に確かめてください。改定が続いています。

出典: 関税局 MySST (売上税・サービス税の説明) / MySST «FAQ Sales Tax» / MySST «FAQ Expansion of Service Tax Scope 2025» (2026-10-07 確認)

法人形態の比較と、Sdn Bhd の制約

形態最低資本金株主人数外国人 100% 所有上場可否
Sdn BhdRM 1〜1〜50 名原則可 (業種制限あり)不可
Bhd (公開会社)RM 1〜2 名〜可可
LLP (有限責任組合)なし2 名〜可不可
Sole Proprietorshipなし1 名不可 (居住者のみ)不可
支店 (外国会社の登録)マレーシアで資本金は持たない (本国の会社の支店)本国の会社のまま出資比率の条件の対象外公式でご確認ください
駐在員事務所・地域事務所なし (年間の運営費 RM 300,000 以上)法人を設立しない本国の会社の事務所 (政府の承認)該当しない (営業・取引もできない)

支店 (外国会社の登録) と駐在員事務所

  • 支店: 外国の会社がマレーシアで事業をするには、現地の会社 (Sdn Bhd など) を設立するか、外国会社として SSM に登録します (会社法 2016 第 561 条・第 562 条)。登録では、マレーシアの居住者を代理人に選び、マレーシアに登記上の事務所を置きます。名称は本国で登録した名称と同じにします。登録の手数料は、本国の会社の株式資本の額に応じて RM 5,000〜RM 70,000 の 5 段階です (株式資本 RM 1,000,000 以下は RM 5,000、RM 10,000,000 以下は RM 20,000、RM 50,000,000 以下は RM 40,000、RM 100,000,000 以下は RM 60,000、RM 100,000,000 を超えると RM 70,000、株式資本の定めが無い会社は RM 70,000)。登録のあとは、財務諸表 (第 575 条・手数料 RM 200) と年次報告 (第 576 条・RM 500) を SSM に出します。支店はマレーシアで発行済みの資本を持たないため、出資比率の条件の対象外で、駐在員のポストと Employment Pass も申請できます (MIDA)。業種ごとの許認可は別に確かめます
  • 駐在員事務所 (Representative Office)・地域事務所 (Regional Office): 会社法 2016 での法人の設立は要らず、マレーシア政府 (MIDA) の承認で置きます。情報の収集・事業の調査・研究開発・地域の関連会社の調整などに限られ、取引 (輸出入を含む)・営業・本社に代わる契約・有料のサービスはできません。年間の運営費は外国企業の新規で RM 300,000 以上 (1 回目の延長は RM 600,000 以上)、資金はマレーシアの外から賄います。承認は最低 2 年で、延長は満了の 3 か月前までに申請します

出典 (2026-10-01 確認): SSM「Guidelines for Registration of Foreign Company」 / SSM「Table of Fees」32〜35 項 / MIDA「Guidelines for Setting up a Representative Office (RE) / Regional Office (RO)」 (2023-03-24 現在) / MIDA「Booklet 2: Regional Operations」3.2 Equity Policy・3.3

スタートアップが Sdn Bhd を選ぶ理由は明確です。株主責任が出資額に限定され、外国人が単独の株主として設立でき、将来的に Employment Pass のスポンサーとして機能し、VC・エンジェルからの投資受け入れにも対応できます。

Sdn Bhd の主な制約

  • 株主数の上限: 50 名
  • 株式の一般公募・公開市場での売買は不可
  • 取締役のうち少なくとも 1 名は、マレーシアに主たる居住地を持ち、通常マレーシアに住んでいる人である必要があります (会社法 (Companies Act 2016) 第 196 条 (4))。株主はマレーシアに住んでいなくてもなれます

駐在員事務所・支店・Sdn Bhd の選び方 — 3 つの問い

  1. マレーシアで売上を立てる・契約を結ぶか: 立てないなら、駐在員事務所も選べます (情報の収集・調査・関連会社の調整などに限られ、年間の運営費の下限があります。上の «支店 (外国会社の登録) と駐在員事務所»)。売上を立てるなら、支店か Sdn Bhd です
  2. マレーシアの事業の責任を、本社と分けたいか: 支店は、本社 (外国の会社) そのものを外国会社として登録して事業をする形で (会社法 2016 第 561 条)、マレーシアに別の会社はできません。支店の取引は本社の取引なので、その責任も本社が負います。Sdn Bhd はマレーシアで株式会社として設立するので、株主の責任は、持っている株式の払い込んでいない額までです (会社法 2016 第 10 条 (2))
  3. 法人税の中小の軽減税率を使えるか: 軽減税率 (15〜17%) は、マレーシアで設立した居住の会社が対象です (Hasil 公開裁定 No. 8/2025 の 6.2.1。払込資本金・総事業収入などほかの条件は上の «Sdn Bhd の法人税率» の節)。支店は対象外で、外資が 20% を超える Sdn Bhd も対象外です。日本の会社が 20% を超えて出資する Sdn Bhd と支店は、24% です

撤退するときの手続きと費用は会社をたたむときの費用にまとめています。

出典: SSM «Companies Act 2016» 第 10 条・第 561 条 / MIDA «Booklet 2: Regional Operations» 3 Foreign Branch Office / Hasil 公開裁定 No. 8/2025 (2025-12-22) 6.2.1 (2026-10-07 確認)

Bangga の Sdn Bhd 設立サポート

  1. 無料相談 (30 分・Google Meet)
  2. 商号調査・SSM 登録 (1-2 営業日)
  3. 定款 (Constitution) 作成・取締役/株主登録 (3-5 営業日)
  4. 法人銀行口座開設 (UOB・OCBC・Alliance Bank など、1〜3 か月)
  5. 税務登録 (LHDN / Income Tax File)
  6. Employment Pass 申請 (代表者・従業員、3〜6 か月)
  7. 会計・税務顧問のご紹介 (毎月の記帳代行)

費用 (Bangga 経由)

項目料金
法人設立一式商号調査・SSM 登記・定款・銀行口座開設・税務登録まで込み60.0万円〜
SSM 登記実費政府費用 (登記手数料 RM 1,000 + 関係機関へのデータの共有 RM 10。社名を先に予約する場合は RM 50 が加わる)・設立時に別途RM 1,010〜1,060≈ 39,000〜41,000 円
年間維持記帳・法人税申告・年次リターン込み (決算書の作成と監査は別途。単独の記帳プランはありません)年 27.0万円〜135.0万円年商規模別 7 区分
監査原則として毎年必要。2026 年に始まる事業年度は、年商・総資産が各 RM 2,000,000 以下・従業員 20 人以下のうち 2 つを満たせば免除 (会社法 2016 第 267 条)別途お見積り

正規料金は日本円建て (2026-09-20 改定版・税別)。SSM 登記実費の円は 1 RM ≒ 38.5 円 (BNM 仲値、2026-09-30) で換算。目安。監査の免除の基準は SSM「Practice Directive No. 10/2024」 (2024-12-16。確認日 2026-10-01) で、2027 年に始まる事業年度からは、年商・総資産が各 RM 3,000,000 以下・従業員 30 人以下に上がります。監査が必要な年は、Bangga が監査人の選定・調整と決算書の作成をお受けします (決算書作成・監査対応)。費用の内訳は設立費用と年間維持費、詳細は料金ページへ。

日本語で頼めるほかの事業者の設立の料金は、依頼先の比較 (広告)に出典つきで並べています。英語でのご案内が要る共同経営者・取締役の方には、英語のページ (Malaysia Company Formation) があります。

設立の手順と必要書類

1. 社名の検索・予約

SSM のオンラインポータル MyCoID で社名を検索し、承認申請します。手数料は RM 50 (先に予約する場合。30 日ごと・最長 180 日。社名は登記の申請と一緒に出すこともでき、その場合は不要。SSM Table of Fees、2026 年 9 月確認)。却下される主なケースは、既存社名と類似しているもの、禁止語 (Bank、Insurance など) を含むものです。

2. 定款・設立書類の準備

会社法 (Companies Act 2016) 以降、M&A (Memorandum & Articles of Association) の提出は任意になりました。提出しない場合は標準規約が適用されます。独自のガバナンス条件 (種類株式、拒否権条項など) を設ける場合は Constitution (定款) を別途作成します。

書類備考
取締役・株主のパスポートコピー全員分、有効期限内
住所証明 (公共料金明細など)発行後 3 か月以内
Super Form (SSM 統合フォーム)MyCoID でオンライン入力
Constitution (任意)独自条項が必要な場合のみ
実質的支配者 (BO) の申告株式 20% 以上を保有する人。会社秘書役の任命から 60 日以内に情報を取得して登録簿に記入し、記入から 14 日以内に SSM へ届出 (14 日は 60 日に含まれます。SSM の BO のガイドライン)
登記上の事務所 (registered office) の住所書類・記録を置き、営業時間中は公衆に開いている必要がある住所です (会社法 第 46 条・第 47 条)。会社秘書役が提供する住所を使えます (秘書役は公開時間にそこにいる義務があります。SSM のガイドライン)
事業を行う住所 (business address)登記上の事務所とは別に、設立の申請で届け出る住所です (SSM のガイドライン)。バーチャルオフィスの住所を使えるかは、銀行口座の開設や就労ビザの審査で使えるかも含めて、会社秘書役にご確認ください

3. SSM への登記申請

MyCoID ポータルからオンラインで申請します。株式会社の設立登記の手数料は、資本金にかかわらず RM 1,000 です (SSM Table of Fees、2026 年 9 月確認)。承認後、Certificate of Incorporation (法人設立証明書) が電子発行されます。物理的な証明書の発行は廃止されています。

設立後の手続きと年間の義務

設立後に進める手続き

  • 法人銀行口座の開設 (目安 1〜3 か月。銀行口座開設ガイド)
  • SST (Sales & Service Tax) 登録: 課税対象サービスの 12 か月の売上が RM 500,000 を超える場合に必須 (一般の区分。飲食は RM 1,500,000、2025 年 7 月の課税範囲の拡大で足された建設・民間医療は RM 1,500,000 など、区分ごとに閾値が違います。関税局 MySST)
  • EPF・SOCSO・EIS 登録: 従業員を雇用する場合に登録。拠出は毎月、翌月 15 日まで。2025 年 10 月の給与から、外国人従業員も EPF (本人 2%・会社 2%) の対象
  • Annual Return の提出: 毎年、設立日の記念日から 30 日以内 (SSM)
  • 会社秘書 (Company Secretary): 会社法 (Companies Act 2016) 第 235 条により、会社秘書役を 1 名以上置く義務があります。秘書役になれるのは、マレーシアに主に住む 18 歳以上のマレーシア国民か永住者で、指定の 7 団体 (MAICSA・MIA など。会社法の第 4 附則) の会員か、SSM の免許を持つ人です。そのうえで SSM に登録し、実務証明 (practising certificate) を受けている必要があります (第 241 条)。最初の秘書役は、設立から 30 日以内に選びます (第 236 条)。Bangga では、SSM の実務証明を持つ提携先が会社秘書役を務めます

年間の主要義務スケジュール

時期手続き対応機関
毎月 15 日給与の源泉税 (PCB)・EPF・SOCSO の納付、予定納税 (CP204) の分割払いLHDN・EPF・PERKESO
期末から 6 か月以内決算書を株主に回覧 (監査が必要な会社は監査済みのもの)—
回覧から 30 日以内決算書を SSM に提出SSM
期末から 7 か月以内 (e-Filing は 1 か月の猶予)法人税申告 (Form C) と残りの税金の納付LHDN
設立記念日から 30 日以内年次報告 (Annual Return)SSM
毎年 3 月 31 日雇用主申告 (Form E)。従業員がいなくても必要LHDN

CP204 (法人予定納税) は、設立 1 期目 (事業年度が 6 か月以上の場合) は事業を始めてから 3 か月以内に提出し、分割払いは事業年度の6 か月目から始まります。2 期目以降は、事業年度が始まる 30 日前までに提出します。監査の免除の条件など、期限の全体像は Sdn Bhd の年間コンプライアンス・カレンダーにまとめています。法人税の申告で、住居費・交際費・役員報酬などをどこまで経費にできるか (日本との違い) は経費算入のルールをご覧ください。

Sdn Bhd で運用可能な事業

  • 輸出入・貿易業
  • IT/SaaS/ソフトウェア開発
  • 飲食店 (F&B Outlet)・物販店舗
  • 不動産投資・賃貸管理
  • コンサルティング・人材紹介
  • 製造業 (一定の MIDA 認可で税優遇あり)
  • 教育エージェント・留学斡旋業 (Bangga 自身もこちら)

※ 銀行業・保険業・証券業・通信業など一部業種は外資制限/特別ライセンスが必要。事前にご相談ください。

Employment Pass (就労ビザ) との組み合わせ

Sdn Bhd を設立すると、代表取締役および従業員に対して Employment Pass (EP) を申請できます。Bangga は、Dependent Pass (配偶者・子供の帯同) の申請のサポートと、MM2H の申請のサポートも併せてお受けします (MM2H の申請書は MOTAC の認可を受けた提携のエージェントが提出し、Bangga は書類の準備・翻訳・認証・進行の管理をします)。

2026 年 6 月 1 日施行: ESD MOHA Announcement 266 により EP 給与要件が大幅引上げ。詳細は Employment Pass 完全ガイドを参照。
ビザ種別〜2026 年 5 月 31 日2026 年 6 月 1 日〜有効期間 (新)
EP Category I月給 RM 10,000+月給 RM 20,000+最長 10 年
EP Category II月給 RM 5,000–9,999月給 RM 10,000–19,999最長 10 年
EP Category III月給 RM 3,000–4,999月給 RM 5,000–9,999最長 5 年
Dependent PassCat I/II の家族全 Cat の家族 (新規開放)EP と同じ

EP 取得時の払込資本金要件

形式上は RM 1 から Sdn Bhd を設立できますが、Employment Pass を申請するには会社の払込資本金 (Paid-up Capital) が以下の額に達している必要があります。払込資本金は、会社の資本金として会社の口座に入れるお金で、Bangga への費用ではありません。

資本構成必要な払込資本金
100% 内資 (マレーシア人のみ株主)RM 250,000 (約 963 万円)
JV (合弁・例: 日本 70% + MY 30%)RM 350,000 (約 1,348 万円)
100% 外資 (外国人のみ株主)RM 500,000 (約 1,925 万円)
WRT 分野 (卸売・小売・貿易) で外資 50% 超RM 1,000,000 (約 3,850 万円)
(一般業態。大型小売は RM 2,000万-5,000万)

1 RM ≒ 38.5 円 (BNM 仲値、2026-09-30) で換算。目安

出典: ESD MOHA Announcement 266 (2026-01-15) / ESD MOHA Operational Guidelines

外国人創業者が注意すべきポイント

居住取締役の確保

会社法 (Companies Act 2016) 第 196 条 (4) により、少なくとも 1 名の取締役が、マレーシアに主たる居住地を持ち、通常マレーシアに住んでいることが義務です (株主はマレーシアに住んでいなくてもなれます)。住所を借りるだけでは、主たる居住地にはなりません。選択肢は次のとおりです。

  • 自身が Employment Pass を取得して居住取締役になる
  • 信頼できるマレーシア人パートナーを取締役に迎える
  • Nominee Director サービスを利用する (法的リスクあり・契約内容の精査が必須)

CFC (外国子会社合算税制) への配慮

日本に居住し続けながらマレーシア法人を設立・運営する場合、日本の CFC ルール (タックスヘイブン対策税制) が適用される可能性があります。

  • 日本の居住者が 50% 超を直接・間接保有する外国法人
  • その法人の租税負担割合が 20% 未満 (ペーパーカンパニーなどの特定外国関係会社は 27% 未満。令和 6 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から)
  • 上記 2 条件が揃う場合、日本の個人所得税・法人税の課税対象になり得る

必ず日本の国際税務に詳しい税理士へ事前にご相談ください。日本側の制度の詳細は外国子会社合算税制 (CFC 税制) にまとめています。マレーシア法人を持つときに見落としやすい点はCFC 税制とマレーシア法人 — 日本居住者が見落としがちな論点で解説しています。

資本金の設定

RM 1 から設立は可能ですが、次の観点で現実的な資本金を設定することを推奨します。

  • Employment Pass: 上の「EP 取得時の払込資本金要件」を参照
  • 銀行の法人口座審査: 求められる初期の預け入れは銀行と口座の種類で変わります (銀行口座開設ガイド)
  • 取引先・投資家への信用度: 資本金額は SSM の公開情報で確認可能

FAQ

Q. 外国人 100% の出資で Sdn Bhd を作れますか?
A. はい。会社法 (Companies Act 2016) のもとで、外国の方や外国の会社 (日本の本社など) だけが株主の Sdn Bhd を作れます (取締役 1 名以上・株主 1 名以上)。ただし、取締役のうち少なくとも 1 名は、マレーシアに主たる居住地を持ち、通常マレーシアに住んでいる人である必要があります (会社法 (Companies Act 2016) 第 196 条 (4))。外資が 20% を超えると、中小の軽減税率 (15〜17%) は使えず法人税は 24% です。就労ビザ (EP) を申請する会社は、100% 外資なら払込資本金 RM 500,000 が要ります (卸売・小売・貿易の分野で外資 50% 超は RM 1,000,000)。銀行業・保険業・証券業・通信業など一部の業種には、外資の制限や特別の免許があります。
Q. マレーシアに住まなくても Sdn Bhd を設立できますか?
A. 株主には、マレーシアに住んでいなくてもなれます。ただし、取締役のうち少なくとも 1 名は、マレーシアに主たる居住地を持ち、通常マレーシアに住んでいる人である必要があります (会社法 (Companies Act 2016) 第 196 条 (4))。ご本人が住まずに取締役になる場合は、ほかにマレーシアに住む取締役 (信頼できるパートナーや、ノミニー居住取締役) を置きます。登記上の事務所 (registered office) もマレーシア国内に置く必要があります (同 第 46 条。会社秘書役が提供する住所を使えます)。銀行口座の開設や EP の取得では、現地での面談や実体のある運営も求められます。
Q. 最低資本金はいくらですか?
A. 会社法 (Companies Act 2016) に最低資本金の決まりは無く、登記だけなら RM 1 からでも設立できます。ただし就労ビザ (EP) を申請する会社は払込資本金が要ります (100% 外資 RM 500,000・合弁 RM 350,000・100% 内資 RM 250,000。卸売・小売・貿易の分野で外資 50% 超は RM 1,000,000)。銀行によっては、口座の審査で資本金を見られることがあります。
Q. 設立から実際に運用開始できるまで何ヶ月かかりますか?
A. 設立 2〜6 週間 + 銀行口座 1〜3 か月 で基本的な運用が始められます。EP の取得を含めると 3〜6 か月 が目安です (ESD アカウントの開設審査 (2〜6 か月) を含みます)。※ 期間は、必要書類が揃い、お振込が完了した時点からの目安です。書類のご準備期間は含みません。
Q. ラブアン法人と Sdn Bhd、どちらが良いですか?
A. マレーシア国内で営業・小売・飲食をする → Sdn Bhd、国際的な取引・低税率・持株 → ラブアンが基本。両方を組み合わせるケースも多いです。
Q. 既に日本に法人がある場合、子会社として Sdn Bhd を作れますか?
A. はい。日本本社が 100% 株主の子会社として登記可能です。資本投下・配当の流れを最適化するスキームをご提案します。

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