対応する 法人類型 × 法域
Sdn Bhd (現地法人)
Labuan IBC
Seychelles IBC
ハイブリッド構造
Employment Pass
Substance 構築
CFC / 移転価格
01マレーシアが選ばれる 7 つの理由
ASEAN の戦略的拠点日本と時差 1 時間。英語が広く通用し、KLIA から日本主要都市に直行便。
低い法人税率Sdn Bhd 17–24% (SME 優遇あり)。ラブアン IBC は Substance 充足で 3%。
100% 外資可多くの業種で外国人 100% 保有可。WRT 等の一部業種に制限あり。
生活コスト 1/2〜1/3日本の半分〜3 分の 1。KL 中心部の高級コンドで月 RM 3,000–8,000。
日マレーシア租税条約1999 年発効。二重課税回避、配当 0% / 5%、利子・ロイヤリティ 10%。
完全オンライン対応SSM 法人登記、E-Invoice、税申告までデジタル化が進んでいます。
日本人ビジネスコミュニティJACTIM 加盟、Mont Kiara 等に日本人街。日本食材店も豊富。
02主要 7 法域 法人比較 — 税制・コスト・ビザ
| 項目 | Sdn Bhd マレーシア | ラブアン マレーシア | ドバイ UAE | 香港 | シンガポール | ジョージア | 日本 |
| 法人税 | 17–24% | 3% / 0% / 24%※1 | 9% | 8.25–16.5% | 17% | 0–5% | 約 30% |
| 個人所得税 | 0–30% | 0–30% | 0% | 2–17% | 0–24% | 20% | 5–55% |
| 配当課税 | 非課税 ※ | 0% / 2% | 0% | 0% | 0% | 5% | 約 20% |
| VAT / 消費税 | SST 6–8% | SST 6–8% | VAT 5% | なし | GST 9% | VAT 18% | 10% |
| 外資 100% | ○ (業種制限) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 最低資本金 | RM 1 (実質 RM 2,500〜) | USD 100 | Zone 別 | HKD 1 | SGD 1 | なし | 1 円 |
| 設立コスト目安 | 約 ¥5 万 | 約 ¥54 万 | ¥60–200 万 | ¥10–30 万 | ¥30–50 万 | ¥3–8 万 | ¥25 万 |
| 日本語サポート | あり | あり | なし | なし | あり | なし | — |
※1 ラブアン IBC: Trading 3% / PEH (持株専業) 0% / Substance 不充足時 24%。Trading は従業員 2 名以上+業種別 OPEX (RM 50K-200K/年) を充足した場合のみ 3%。要件不充足の場合は通常税率 24% が適用されます。
※ 外資 20% 超の Sdn Bhd は 24% 一律 (SME 税率 15%/17% は外資 20% 未満のみ)。配当は単一課税制度 (Single-tier) で配当時非課税、ただし RM 100K 超は 2% (Budget 2025)。出典: LHDN、Labuan FSA、PWC Tax Summaries 2025。
構造選択フローチャート — どれが自分に合うか
ビジネス内容に応じた最適な構造の選択フロー:
Q1. マレーシア国内にお客様がいるか?
✓ はい → Sdn Bhd (or ハイブリッド)
いいえ → Q2 へ
Q2. 年間売上はいくらか?
✓ 3,000 万未満 → ラブアン 24% (Substance 不要)
3,000 万以上 → ラブアン 3% (Substance 必要)
Q3. マレーシアに住みたいか?
✓ はい → ビザ取得 (EP or Labuan WP)
いいえ → ノミニー取締役で運営 (個別見積)
Q4. 銀行ローンや高い信用力が必要か?
✓ はい → Sdn Bhd も併設 (ハイブリッド構造)
いいえ → ラブアン法人のみで OK
業種別 推奨構造
飲食店・サロン (実店舗型)月商 50万〜500万円
Sdn Bhd
IT コンサル・SaaS (海外向け)月商 100万〜5,000万円
ラブアン
日本法人の海外子会社親会社の戦略次第
Sdn Bhd
投資持株・不動産管理配当収入メイン
ラブアン (0%)
節税 + 信用力の両方が必要月商 1,000万円以上
ハイブリッド
03節税シミュレーター — 営業利益から年間税負担を試算
下のスライダーで 営業利益 を動かすと、
日本法人 / Sdn Bhd 24% / ラブアン IBC 3% の年間税負担が即座に再計算されます。
※ 売上 = 利益 × 2.5、代表報酬 = 利益 × 0.5、配当 = 利益 × 0.25 で自動連動。
日本法人
—
年間総負担
基準
Sdn Bhd 24%
—
年間総負担
—
ラブアン IBC 3%
—
年間総負担 (Substance 込)
—
概算 (¥換算)。
実体要件・実費・税理士判断で変動。
正確な見積りは 無料相談 で。
計算前提・Substance 内訳・損益分岐ライン (詳細)クリックで展開
Substance コスト 内訳 (年次・Item 20 管理 最小ケース)
- オフィス賃料 (Financial Park シェア): 約 ¥95 万 (USD 6,100/年)
- 従業員 2 名 給与 + EPF + SOCSO (RM 5,000/月 × 2): 約 ¥445 万 (RM 137K/年)
- 業種別 OPEX (Item 20 管理 最小): 約 ¥162 万 (RM 50K)
- 合計: 約 ¥780 万/年 (上記シミュレーターに固定値で計上)
- 上記とは別に、Bangga 年間維持費 85万円/年 をラブアン列に計上しています (正規料金)。
業種別 OPEX 最低基準 (Hasil 2025)
- Item 20 管理: RM 50K/年
- ファンド・保険ブローカー: RM 100K/年
- 信託 (Trust): RM 120K/年
- 銀行・保険・再保険: RM 200K/年
Working Pass 給与要件
代表者の Working Pass は 月給最低 RM 10,000 (年 RM 120K ≒ ¥390 万) が必須。
これは法人から代表個人への給与扱いとなり、上記「個人所得税」の課税ベースに含めて計算しています。
家族帯同には Dependent Pass (帯同家族ビザ 25万円/名) が別途必要です。
損益分岐ライン
利益 5,000 万円以下: Sdn Bhd 24% (Substance 不要) と Labuan IBC 3% (Substance 込み) の差は小さく、Sdn Bhd 推奨。
利益 1.3 億円以上: 法人税 3% × 利益 1.3 億 = 390 万 vs Sdn Bhd 24% × 1.3 億 = 3,120 万。年差額 約 ¥2,700 万、5 年累積 約 ¥1.4 億。
Substance コストは固定費。利益が大きいほど Labuan の優位が拡大します。
計算ロジック
日本側: 法人税 30% / 所得税は累進実効レート / 社保 15% / 配当 20.315% / 消費税 10%。
マレーシア側: Sdn Bhd 24% (外資)・Labuan IBC 3% (Trading) / 0% (PEH) ・現地所得税は累進。
SME 軽減税率・控除・損益通算・出国税・CFC・移転価格・PE 認定リスクは含まれません。正確な税負担は提携税理士法人と個別に試算します。
03-Bラブアン設立・運用コスト シミュレーター — 固定費を年次で試算
就労ビザの人数・帯同家族・給与の有無・試算年数を切り替えると、
設立費・年間維持費・会計監査・就労ビザ・住居サブスクの年次固定費が正規料金 (日本円固定) で即座に再計算されます。
メインビザ 1 名・帯同なし・個室サブスクのモデルケースで 3 年累計 約 ¥821 万 が目安です。
※ 法人所得税 (3% / 24%) は利益ベースの別レイヤーです。↑ 節税シミュレーター (03) と併せてご覧ください。
※ 単価前提 (Bangga 正規料金・日本円固定・2026-07-20 改定版): 法人設立フルパッケージ 120万円 (設立年 1 回。初年度の維持費用はここに含むため 1 年目に年間維持費は計上しません)・年間維持費 85万円/年 (2 年目〜毎年)・就労ビザ取得 1 人目 80万円 / 2 人目 45万円 / 帯同家族 25万円/名 (初年度)・ビザ更新パック 40万円/名 / 帯同の更新15万/名 (3 年目以降の奇数年に計上)・会計 実費+管理料 6万円/年・監査 実費+手配料 5万円/年 (監査実費は目安 21〜63万円のため中間値 42万円で計上。3% 課税選択時は監査必須)・住居サブスク 個室 7万円/月 〜 (シミュレーター内で変更可)。
給与のみ RM 建て法定要件 (月 RM 10,000 × ビザ保有者、帯同家族は含まず) のため MYR/JPY 38.6 で換算。為替: 自動取得 (2026-09-04 時点 · 出典 open.er-api.com)
概算 (固定費のみ)。会計・監査の実費、渡航実費、税理士判断で変動します。正確な見積りは 無料相談 へ。
04マレーシア現地法人 (Sdn Bhd) の詳細
Sdn Bhd (Sendirian Berhad) はマレーシア会社法 2016 に基づく非公開有限責任会社。SSM に登記され、リンギット (RM) 建ての国内取引、銀行ローン、政府調達への参加が可能。
設立要件
- 居住取締役 1 名以上 (外国籍は就労パス等の居住証明が必要、18 歳以上)
- 株主 1〜50 名 (マレーシア国民、外国人、法人いずれも可)
- 最低資本金 RM 1.00 (口座開設には RM 2,500〜推奨、EP 用は RM 250,000〜500,000)
- 会社秘書役 (COSEC) の選任 (設立後 30 日以内、Bangga Mate が対応)
法人税率 (2025 年度)
| 課税所得 | SME (内資 < 20%) | 非 SME / 外資 20% 超 |
| 最初の RM 150,000 | 15% | 24% |
| RM 150,001 〜 600,000 | 17% | 24% |
| RM 600,001 以上 | 24% | 24% |
※ SME 要件: 払込資本金 RM 2.5M 以下 + 総事業収入 RM 50M 以下 + 外資保有率 20% 未満を全て充足。出典: LHDN, Acclime Malaysia, PWC Tax Summaries 2025。
設立費用 (Bangga 正規料金・日本円固定)
| 法人設立一式 | 66万円(税抜60万円) |
| 年間維持 (3 層プラン・記帳は各プランに内包) | ライト33万円(税抜30万円) / スタンダード49.5万円(税抜45万円) / プレミアム99万円(税抜90万円) |
| EP (就労ビザ) 申請 — 契約前の無料ルート判定制 | MDEC適合: 88万円(税抜80万円) / ESD経由: 99万円(税抜90万円) |
必要書類
- パスポートのコピー (全取締役・株主の顔写真ページ)
- 住所証明書 (直近 3 ヶ月以内、日本語の場合は SSM 向けに翻訳推奨)
- 会社名の希望 3 候補 (SSM で名称予約)
- 事業内容の説明 (MSIC コード選定に使用)
- 取締役・株主の情報 (氏名・住所・国籍・持株比率・パスポート番号)
- 取締役宣言書 + 会社名同意書 (テンプレ提供)
- 実質的支配者 (BO) 申告 (株式 20% 以上保有者、設立 30 日以内)
就労パス (Employment Pass) の最新変更点
2026 年 6 月から新カテゴリー適用予定 (ESD Online / MOHA / Cabinet 承認 2025年10月)。実際の施行日は変更の可能性あり、最新情報は Bangga で確認してください。
| カテゴリー | 現行給与 | 2026年6月〜 | 有効期間 | 家族帯同 |
| Cat 1 | RM 10,000+ | RM 20,000+ | 最長 5年→10年 | ○ |
| Cat 2 | RM 5,000-9,999 | RM 10,000-19,999 | 最長 2年→10年 | ○ |
| Cat 3 | RM 3,000-4,999 | RM 5,000-9,999 | 12 ヶ月→5年 | ×→○ |
EP 用 払込資本金 (資本構成別)
| 資本構成 | 払込資本金 | 備考 |
| 100% 内資 | RM 250,000 | マレーシア人のみが株主 |
| 合弁事業 (JV) | RM 350,000 | マレーシア人 + 外国人 (例: 日本 70% + MY 30%) |
| 100% 外資 | RM 500,000 | 外国人のみが株主 |
| WRT 分野・外資 50% 超 | RM 1,000,000 | 卸売・小売・貿易で過半数外資の一般業態 (ハイパーマーケット等の大型小売は RM 2,000万-5,000万) |
05ラブアン法人 (Labuan Company) の詳細
ラブアン法人は、マレーシア連邦政府直轄領であるラブアン島 (Labuan IBFC) に設立される特別法人。LBATA 1990 に基づき、OECD 国際基準に準拠した透明性の高い法制度と、優遇された税制を兼ね備えた「ミッドショア」ソリューション。EU COCG (Code of Conduct Group) 非掲載、英国法を基礎とした法体系で権利が保護されます。
税制詳細
取引活動 (Trading)
監査済み純利益の 3%
Substance 要件 (フルタイム fit-and-proper 従業員 2 名+ + 物理オフィス + 業種別 OPEX RM 50K-200K) を全て充足した場合の優遇税率。非充足時は 24% が適用されます。
Pure Equity Holding (PEH)
法人税 0%
配当・キャピタルゲインのみを受領する純粋持株会社・投資管理に最適。FTE 0 名 (免除) + 年間 OPEX RM 20,000 + 物理オフィスのみが必要 (LBATA 課税対象外)。
配当課税: 個人 → RM 100K 以下 0%、超過分 2% (Budget 2025)。法人間配当 → 上限なし無税。
2019 年 LBATA 改正で「固定 RM 20,000 選択」オプションは廃止 (YA 2020〜)。現在は Trading 3% / PEH 0% / 不充足 24% の三択です。
出典: Hasil 公式 Trading vs Non-Trading ガイドライン (2025-12-10) / LBATA 1990 / Labuan FSA
Substance 要件 — Trading 3% 適用に必須 (業種別)
3 要件をすべて充足する必要があります。形式的ではなく実質的な充足が求められ、Labuan FSA / Hasil が抜き打ちで実地調査を行うことがあります。
- フルタイム fit-and-proper 従業員 2 名以上 (業種により 3-4 名) — ラブアン現地で物理的に勤務、EPF/SOCSO 加入、雇用契約あり、派遣・アウトソーシング不可。1 名あたり月 RM 4-6K (年人件費 RM 100-150K)
- 物理オフィス — バーチャルオフィス・郵便箱は不可、賃貸借契約書必要 (Financial Park 内シェアオフィスで年 USD 6,100 程度)
- 業種別 OPEX — Item 20 管理業務 = RM 50K / ファンド・保険ブローカー = RM 100K / Trust = RM 120K / 銀行・保険・再保険 = RM 200K
Substance 費用合計目安: 約 RM 150K-250K/年 (≈ 480-800 万円・業種別) → 利益 1.3 億円以上で Trading 3% の方が 24% より有利。利益 5,000 万円以下なら Sdn Bhd 24% (SME 該当外なら一律) の方が手取り多くなるケースが多い。
出典: Hasil 公式 Fit and Proper Full-Time Employees ガイドライン (2025-11-05) / P.U.(A) 423/2021 + 325/2025
設立タイムライン
1KYC・書類準備パスポート / 住所証明 / CV / Reference Letter / 指定フォーム
1〜2 週間
2法人設立書類完備から Form 7 (設立証明書) 発行まで
7〜10 営業日
3ビザ承認申請ラブアン金融庁 (LFSA) による審査
約 21 営業日
4VDR 発行Visa With Reference を日本のマレーシア大使館向けに発行
3〜5 営業日
5入国・ステッカー貼付ラブアン移民局へ出向き (要予約)、現地手数料 RM 600〜1,000 別途
1〜2 営業日
全体所要期間: 約 2〜3 ヶ月 (書類準備完了後)
家族ビザ (Dependent Pass)
就労ビザ取得後に申請可能。配偶者 + 18 歳未満の子供が対象。費用は帯同家族ビザ 25万円/名 (2 年毎の更新は 15万円/名)。配偶者は婚姻証明書、お子様は出生証明書が必要で、いずれもマレーシア大使館で英訳 → マレーシア公証役場で公証の流れになります。
06ハイブリッド法人構造 — 信用力と低税率の両立
ハイブリッド法人は、Sdn Bhd (オンショア・親会社) とラブアン法人 (ミッドショア・子会社) を組み合わせた構造です。Sdn Bhd の国内信用力 (銀行ローン・国内取引・ビザ) と、ラブアンの低税率 (3%・配当無税) を両立できます。売上規模が大きく、国内と国際の両事業を展開する場合に適しています。
利用イメージ — 売上 1 億円のケース
- ラブアンで 1 億円の利益 → 法人税 300 万円 (3%) → 残り 9,700 万円
- 9,700 万円を Sdn Bhd 親会社に配当 → 法人間配当は上限なし無税
- Sdn Bhd 側で資本蓄積 → 信用度向上、ローン借入が可能に
- 個人へは Sdn Bhd から配当 → RM 100K 以下 0%、超過分のみ 2%
Sdn Bhd vs ラブアン vs ハイブリッド の比較
| 項目 | Sdn Bhd | ラブアン | ハイブリッド |
| 管轄 | SSM | Labuan FSA | SSM + FSA |
| 法人税 | 17–24% (外資) | 3% / 0% | 24% + 3% (分散) |
| 取引通貨 | RM のみ | 外貨 (USD 等) | 両方 |
| 国内取引 | 可能 | 原則不可 | Sdn Bhd で対応 |
| ビザ | EP (RM 5K–20K/月) | WP (RM 10K/月〜) | 双方取得可 |
| 監査 | 免除基準あり | 必須 | 両法人とも必要 |
| 配当 (法人間) | — | 上限なし無税 | ラブアン → Sdn Bhd 無税 |
| 信用力 | 高い | オフショア印象 | Sdn Bhd で確保 |
| 主な用途 | 実店舗・国内取引 | IT・コンサル・貿易 | 大規模・多角展開 |
07申請に必要な書類 — 設立 & 就労ビザ
ラブアン法人の設立と、それに連動する就労ビザ (Employment Pass / Labuan Work Pass) で必要となる書類を、日本国籍の方が申請する前提で整理しました。戸籍謄本・住民票など日本側で取得 → 翻訳 → 在マレーシア日本国大使館・マレーシア側の公証 (認証) までリードタイムを要する書類が含まれるため、入国前から余裕を持った準備をおすすめします。
① 法人設立に必要な書類
ラブアン法人はライセンスを持つトラストカンパニー経由でのみ設立できます (直接申請不可)。ビザを伴わず設立のみであれば、ご本人にご用意いただくのは ① 住民票の原本コピー / ② パスポートの顔写真ページ / ③ 法人設立申請書類 の 3 点が基本です (会社の骨格・KYC の詳細は下記)。
会社基本情報会社の骨格を決める書類- 希望社名 (商号予約のため第3候補まで)
- 事業内容・ビジネスプラン
- 定款 (M&A・トラスト会社が雛形提供)
- 授権資本・払込資本の額 (最低資本規制なし)
- 登録住所 (トラスト会社のラブアン住所)
役員・株主 KYC (個人ごと)本人確認・適格性の書類- パスポート認証謄本 (公証 / certified true copy)
- 居住証明 (3か月以内の公共料金請求書 or 銀行明細)
- 履歴書 (CV)
- 銀行レファレンスレター
- 証明写真
- 就任承諾書 (Consent to act as director)
株主が法人の場合 (追加)法人株主の証明書類- 登記簿謄本 / Certificate of Incorporation
- 定款
- 取締役・株主名簿
- ラブアン法人設立を決議した取締役会議事録
- Certificate of Good Standing
- 最終受益者 (UBO) の KYC 一式
役員・株主は各最低1名 (国籍制限なし)。常駐セクレタリーはトラスト会社所属者が務めます (必須・自前不可)。Trading 3% を狙う場合は Substance 要件 (従業員2名+ / 物理オフィス / 業種別 OPEX) の宣誓書類が別途必要です。
② 就労ビザ (Employment Pass) に必要な書類
ラブアン法人を設立すると、役員・従業員は2年マルチプル (更新可) の就労パスを申請できます。日本で発行 → 翻訳 → 大使館・マレーシア公証の流れになる書類が多いため、段取りが重要です。
申請者本人 — 公的書類 (日本で取得 → 大使館 → 公証)認証・英訳・公証が必要な書類- 戸籍謄本 (原本) → 大使館での委任状 (ご本人サイン付き) → 大使館にて英訳
- 最終学歴の卒業証明書 (原本 + 英語版・日本語版の両方)
- 上記書類はマレーシア公証役場で公証
申請者本人 — その他ご本人にご用意いただくもの- パスポート (残存18か月以上・空白ページあり) / 全ページのコピー
- パスポートサイズの写真 (白背景・複数枚)
- 履歴書 (CV)
- 役員就任状 / 雇用契約書 / 事業計画書
ご家族を帯同する場合配偶者・お子様の書類- お子様がいる場合: お子様ごとの出生証明書 (マレーシア大使館で英訳が必要)
- 配偶者を帯同する場合: 婚姻証明書 (おひとり様のみなら不要・マレーシア大使館で英訳が必要)
ビザ申請にはラブアンのオフィスが必須です。法人税 3% の適用有無にかかわらず、就労ビザを取得するには物理オフィスが必要で、バーチャルオフィスは不可です。あわせてラブアンでの住居 (賃貸) も必要となり、初年度のみ当社で 1 部屋 RM 500/月 をご用意できます。
戸籍・卒業・婚姻・出生などの各証明は日本で取得 → 在マレーシア日本国大使館で英訳・認証 → マレーシア公証役場で公証の流れになるため、入国前から余裕を持った段取りが重要です。細目は申請時期・事業区分・トラスト会社で変動するため、最新版チェックリストで要確認です。
MM2H 移住ビザとは別制度です。ラブアン就労パスは「働く (役員 / 雇用)」前提、
MM2H は「滞在」前提。混同しやすいのでご注意ください。
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特に注意すべき 4 つのこと
① CFC 税制 (タックスヘイブン対策税制)
日本の居住者が株式 50% 超を保有する外国法人 → 日本で合算課税される可能性あり。適用除外の 4 基準を全て充足する必要があります:
- 事業基準: 株式保有が主たる事業ではないこと
- 実体基準: 現地に事務所を持ち事業を行っていること
- 管理支配基準: 現地で自ら事業の管理・運営を行っていること
- 非関連者基準: 主にグループ外の企業と取引していること
一つでも満たさない → 合算課税。例: ラブアン 100% 保有 + 利益 5,000 万円で 追加 1,350 万円の納税。提携税理士法人と連携して事前に対策可能。
② 移転価格税制 (Transfer Pricing)
関連会社間 (持株 50% 超 + 実質支配) の取引価格を操作して利益を低税率国に移すことを防ぐ日本の税制。違反時は 追徴課税 + 延滞税 + 加算税 (最大 40%)。安全策:
- 独立企業間価格 (Arm's Length Price = ALP) で取引
- 業務委託を独立第三者価格で設定 (市場調査が必要)
- 日本法人とラブアン法人の間に「関連性」を作らない構造 (株主を分ける)
- 事前確認制度 (APA) の利用を検討
③ 出国税 (国外転出時課税制度)
所得税法 60 条の 2。対象資産 1 億円以上を保有する個人 (過去 10 年中 5 年超居住) が海外移住時に適用。含み益に対して 約 20% (所得税 15% + 住民税 5%) 課税。最大 5 年間の納税猶予制度あり。5 年以内に帰国 + 対象資産を保有 → 課税取消可能。
具体例: 非上場株式 100% 保有、簿価 2,000 万円・時価 2 億円。含み益 1.8 億円 × 約 20% = 3,600 万円の納税義務。猶予制度活用 + 5 年以内帰国で取消可能。
④ PE (Permanent Establishment) 認定リスク
外国法人が日本国内に有する「事業を行う一定の場所」と認定されると、その活動に関する所得が日本で法人税課税。認定例:
- 日本にオフィス・倉庫・工場がある
- 日本に代理人がいて契約締結権限を持つ
- 日本法人の代表がラブアン法人の業務を日本で行う
回避策: ラブアン法人の業務は全てマレーシアで行う、日本での活動は「補助的・準備的」性質に限定、租税条約の PE 条項を確認。
よくあるご質問 — 実務 Q&A
住民票を残したまま、マレーシアでビザを取って節税できますか?
ビザの取得自体は可能ですが、節税効果はほぼ完全に失われます。
- 日本に住民票がある = 日本の税務上の「居住者」
- 居住者は「全世界所得課税」の対象
- ラブアン法人からの役員報酬も日本で合算申告が必要
- 結果的に日本の高い税率が適用される
この場合、マレーシアで税金を納めても、日本との差額を日本で追加納税することになり、税務上の分離はできません。ビザはあくまで「滞在許可」であり「税務ステータス」ではありません。住民票を抜かずにビザを持つだけでは、CFC 税制の適用除外にもなりません。
日本法人の代表取締役を外れられない場合、ラブアンで節税できますか?
代表取締役を維持しつつ節税するには、以下の条件が必要です:
- ✓ 日本の住民票を抜いてマレーシアに移住 (海外転出届)
- ✓ マレーシア滞在日数を年間 183 日以上確保
- ✓ 日本法人の役員報酬をゼロまたは極少額に設定
- ✓ ラブアン法人から給与を受け取る (月 RM 10,000 以上)
- ✓ 日本法人 ↔ ラブアン法人間の取引に正当な対価を設定
代表取締役を「形式的に」維持すること自体は可能ですが、報酬を受け取ると非居住者でも日本で 20.42% 源泉徴収されます。家族が日本在住・主要資産が日本 → 「実質的な日本居住者」認定リスクあり。
非居住者で日本法人の代表取締役を続けるリスクは?
法律上は可能ですが、以下のリスクがあります:
- PE 認定リスク: 日本法人の経営を MY から行っても「実質的に日本で管理支配」と認定 → 全世界所得課税の対象になる可能性
- 税務調査の対象: 非居住者が代取のまま → 税務署が疑う。滞在日数の記録・航空券・入出国履歴等の証拠保全が重要
- 銀行・取引先の信用: 代表が海外在住 → 融資・リースに影響
推奨: 「日本法人の代表取締役」→ 平取締役に変更し、国内に別の代表を立てるのが最も安全なスキーム。提携税理士法人と「非居住者認定の要件整理」を事前に行うことを強くお勧めします。
ラブアン法人を日本法人の子会社にする場合は?
可能ですが、CFC 税制 (タックスヘイブン対策税制) の直撃リスクがあります。
- 日本法人 (親) → ラブアン法人 (100% 子会社)
- ✕ 日本居住者が 50% 超を保有 → ラブアン利益が日本で合算課税
✓ 回避には経済活動基準 4 つを全て充足:
- 事業基準: 株式保有が主たる事業ではない
- 実体基準: 現地オフィス + 従業員がいる
- 管理支配基準: 現地で経営判断を行っている
- 非関連者基準: グループ外企業との取引が主
現実的な活用: アジア展開拠点・資金管理として。「節税目的のみの設立」は税務リスクが極めて高い。実体なきペーパーカンパニーは合算課税されます。
ラブアンのビザで日本に年何日まで滞在できますか?
税務上の安全ラインと法的制限は異なります:
税務上の居住者判定
- 183 日ルール: 暦年で 183 日以上日本滞在 → 「居住者」リスク
- ただし 183 日未満でも「生活の本拠」が日本にあると認定される場合あり
日本への入国
- MY 就労ビザ保持者 → 日本にはビザ免除で最大 90 日滞在可能
- 年間複数回の入国は可能。合計滞在日数を管理すべき
実務上の推奨
- 日本滞在は年間 90 日以内を目安 (安全マージン)
- 滞在中は「出張」扱い。経費精算 + 航空券を保管
- 日本での「管理支配行為」を最小限にし議事録で証拠化
- MY 側の生活実態を充実 (賃貸契約・公共料金等)
183 日は「目安」であり絶対基準ではありません。総合判断されます。
Sdn Bhd とラブアン法人の両方を持つメリットは?
ハイブリッド構造は「信用力」と「低税率」の両立です。
- Sdn Bhd (親): 銀行ローン借入可・国内取引・ライセンス取得・EP 取得
- ラブアン (子): 国際取引の利益に 3% / 法人間配当は無税で Sdn Bhd へ
組み合わせ方: ラブアン法人で海外売上計上 → 配当で Sdn Bhd に移転 → 個人へは非課税配当
ただし設立・維持コストが 2 法人分。年間売上 3,000 万円以上で検討推奨。
Substance 要件を満たすコストはいくら?
Trading 3% 税率に必要な Substance 要件とコスト (Hasil 2025-12-10 / 2025-11-05 改定後):
要件 (3 つ全て充足が必要)
- フルタイム fit-and-proper 従業員 2 名以上 (業種により 3-4 名・派遣不可) → 年間人件費 RM 100K-150K
- 物理オフィス (バーチャル不可) → 年間 USD 6,100 程度 (Financial Park シェアオフィス)
- 業種別 OPEX — Item 20 管理業務 = RM 50K / ファンド = RM 100K / 銀行・保険 = RM 200K
合計目安 (Trading・Item 20): 約 RM 150K-250K/年 (≈ 480-800 万円)
Pure Equity Holding (PEH 0%) なら FTE 0 + OPEX RM 20K + 物理オフィスのみ → 約 RM 50K/年
損益分岐点: 利益約 1.3 億円以上 → Substance 費を払っても Trading 3% が有利
例: 利益 5,000 万 × 24% = 1,200 万 vs 5,000 万 × 3% + 480 万 = 630 万 (Trading 有利)
Substance は形式的ではなく実質的であること。Labuan FSA / Hasil が実地調査を行う場合あり。
マレーシアの所得税を最小化するテクニックは?
合法的に個人所得税を最小化する方法:
- ✓ 1. 報酬構造の最適化 — 基本給を低く + 住居手当 (BIK) + 車両手当で実質手取り UP
- ✓ 2. 個人控除の最大化 (居住者の場合): 個人 RM 9K / 配偶者 RM 4K / 子女 RM 2K〜8K/人 / 医療 RM 10K / 教育費 (自己) RM 7K / 生命保険 + EPF RM 7K / SSPN RM 8K
- ✓ 3. 配当で受け取る — Sdn Bhd 配当 = 非課税 / ラブアン配当 = RM 100K 以下 0%、超過 2%
税務上の居住者 (182 日以上滞在) でないと 30% 一律課税。
日本に年金・保険の支払いが残っている場合は?
海外転出後の取扱い:
- 国民年金: 強制加入から外れるが「任意加入」で継続可能 (65 歳未満) → 将来の受給額に影響するため任意加入を推奨
- 健康保険: 国保の資格喪失 → MY で民間医療保険に加入 → 一時帰国時は旅行保険でカバー
- 生命保険・個人年金: 既存契約は原則維持可能 → 保険会社によっては海外移住時の対応が異なる
- 住民税: 1 月 1 日時点で住民票がない → その年の住民税は非課税 → 12 月 31 日に転出 → 翌年の住民税が完全にゼロに
法人を閉じる (Strike Off) 場合の手順は?
「Strike Off (簡易閉鎖)」と「Winding Up (清算)」の 2 つ:
- Strike Off: 資産 RM 500 以下・負債なし・事業停止済み → SSM へ閉鎖申請 → 3 ヶ月公告期間 → 完了。費用: RM 2,500 程度 / 期間: 約 3〜6 ヶ月
- Winding Up: 資産・負債が残っている場合 → 清算人任命 → 資産売却 → 債務弁済 → 最終報告。費用: RM 10,000〜50,000 以上 / 期間: 6 ヶ月〜数年
閉鎖前義務: 全税務申告 (Form C/E) を完了 / LHDN から Tax Clearance Letter を取得 / SSM への年次報告書を最新まで提出。閉鎖手続中も COSEC 費用は発生。全税務申告を完了後に閉鎖申請してください。
設立後の実務ガイド — 詳細は専用ページで
経費・銀行口座・失敗事例などの実務詳細は、それぞれ専用ページにまとめています (2026-07-25 P-02: 本ページの縦長解消のため分離)。
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重要な免責事項
- 本ページの内容は 2026 年 5 月時点の情報に基づいています。マレーシア・日本の税法は頻繁に改定されるため、実施前に必ず最新情報を Bangga または提携税理士までご確認ください。
- 節税試算 (年 940 万円・5 年 4,700 万円) は特定モデルケース (利益 2,000 万円・代取年収 1,000 万円・配当 500 万円) の概算です。実際の効果は個別状況により大きく異なります。
- EP 新カテゴリー (2026年6月施行予定) は ESD/MOHA/Cabinet で承認されていますが、実施日・要件は変更の可能性があります。
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