目的別に見る、マレーシア移住の主なビザ
マレーシアに「移住ビザ」という 1 つの制度はなく、滞在の目的ごとにパスが分かれています。主な 4 つを、公式の資料の条件で並べました。
条件と期間
| ビザ (パス) | 向いている方 | 主な条件 | 期間 |
|---|---|---|---|
| MM2H (Malaysia My Second Home) | 働かずに長く暮らしたい方 (退職後など) | 25 歳以上。定期預金 USD 150,000〜1,000,000 と、住宅の購入 RM 600,000〜2,000,000 (ティアによる) | 5〜20 年 (ティアによる・更新可) |
| DE Rantau (ノマドパス) | 海外の会社・顧客の仕事を、リモートで続ける方 | 18 歳超。年収 USD 24,000 以上 (IT・デジタルの職)、USD 60,000 以上 (それ以外の職) | 3〜12 か月。12 か月の更新で最長 24 か月 |
| Employment Pass (KL などの会社の就労ビザ) | マレーシアの会社で働く方、ご自身の会社 (Sdn Bhd) で働く方 | 月給 RM 5,000 以上 (Category III)、RM 10,000 以上 (Category II)、RM 20,000 以上 (Category I) | 最長 5 年 (III)・10 年 (I・II) |
| ラブアンの就労ビザ (Work Permit) | ラブアン法人を持ち、ラブアンで働く方 | 月の収入 RM 10,000 以上 (基本給と手当などを含む) | — |
マレーシアでの就労と家族
| ビザ (パス) | マレーシアでの就労 | 家族 |
|---|---|---|
| MM2H | Platinum だけ可。Silver・Gold・SEZ/SFZ は不可 | 扶養家族も申請できる |
| DE Rantau | リモートワーク・フリーランスの仕事 (配偶者は就労不可) | 配偶者・18 歳未満の子・親 |
| Employment Pass | 雇用する会社で就労 | 帯同家族のパス (Dependent Pass) |
| ラブアンの就労ビザ | 雇用するラブアン法人で就労 | 帯同家族のビザ |
MM2H: MOTAC (観光芸術文化省) MM2H 公式ポータル (各ティアのページ、2026-02-10 更新)。定期預金は承認後に元本の 50% まで住宅購入・教育・医療などに引き出せ、購入した住宅は 10 年間売却できません。SEZ/SFZ (Johor 州 Forest City) は 21 歳以上で定期預金 USD 65,000 (50 歳以上は USD 32,000)、期間 10 年です。
DE Rantau: MDEC「DE Rantau Pass FAQ」Version 10.0 (2026-08-28)。
Employment Pass: 移民局 ESD (Expatriate Services Division)「Announcement 266」 (2026-01-15 公表、2026-06-01 以降の新規・更新の申請に適用)。Category II・III は後継者計画 (succession plan) が条件です。
ラブアンの就労ビザ: Labuan FSA のガイドライン 5.1。有効期間は、確認した公式の資料に記載がないため「—」としています。
確認日はいずれも 2026 年 10 月 1 日。条件は変わることがあるため、申請の前に最新の案内をご確認ください。
- MM2H の 4 ティアの条件: MM2H 取得要件 / 全体: MM2H 移住ビザ
- DE Rantau の書類と更新: DE Rantau ノマドビザ
- Employment Pass の区分と書類: Employment Pass
- ラブアン法人と就労ビザ: ラブアン法人
どのビザが合うか — 3 つの問いで選ぶ
- マレーシアで働きますか。会社を持ちますか。 はい → 就労ビザです。国内の取引が中心なら KL などの現地法人 (Sdn Bhd) と Employment Pass、国際取引が中心ならラブアン法人とラブアンの就労ビザが基本です。会社の選び方は マレーシア法人設立、費用は 設立費用と年間維持費 にまとめています。
- 日本や海外の仕事を、マレーシアからリモートで続けますか。 はい → DE Rantau です。年収の条件と、期間が最長 24 か月であることを確かめてください。それより長く住む予定なら、ほかのパスへの切り替えも考えておきます。
- 働かずに、長く暮らしますか。 はい → MM2H です。年齢と、定期預金・住宅の購入に使える資金で、Silver・Gold・Platinum・SEZ/SFZ から選びます。
ご家族の働き方も合わせて確かめます。たとえば DE Rantau の配偶者は、マレーシアで働けません。
移住にかかる費用 — 政府に払う費用と、Bangga の料金
費用は「政府に払う申請の費用」「代行の料金」「定期預金や住宅の購入などの資金」に分けて考えます。ここでは、公式に決まっている政府の費用と、Bangga の料金表にある額だけを載せます。生活費は住む地域と暮らし方で大きく変わるため、このページでは目安の額を出していません。
政府に払う主な費用
| 項目 | 金額 | 円の目安 |
|---|---|---|
| MM2H 処理手数料 (本人) | RM 5,000 | 約 19 万円 |
| MM2H 処理手数料 (扶養家族 1 人) | RM 2,500 | 約 10 万円 |
| MM2H 参加費 (Silver) | RM 1,000 | 約 3.9 万円 |
| MM2H 参加費 (Gold) | RM 3,000 | 約 11.6 万円 |
| MM2H 参加費 (Platinum) | RM 200,000 | 約 770 万円 |
| DE Rantau 処理手数料 (本人) | RM 1,080 (SST 8% 込み・返金なし) | 約 4.2 万円 |
| DE Rantau 処理手数料 (扶養家族 1 人) | RM 540 (同上) | 約 2.1 万円 |
| DE Rantau のパス料金 (入国管理局・本人) | RM 360 / 年 | 約 1.4 万円 |
1 RM ≒ 38.5 円 (BNM 仲値、2026-09-30) で換算。目安
MM2H の定期預金は預け入れる資金で、承認後に元本の 50% まで住宅の購入・教育・医療などに使えます。住宅の購入額も資産の購入です。ご家族 4 人の場合の試算は MM2H の費用 にあります。DE Rantau の料金は MDEC の FAQ の項目 D-1 (国籍によっては、別に入国のビザの料金がかかります)。
Bangga の料金 (就労ビザ)
| 項目 | 料金 (税別) |
|---|---|
| ラブアンの就労ビザ 1 人目 | 68.0万円 |
| ラブアンの就労ビザ 2 人目 | 34.0万円 |
| ラブアンの帯同家族ビザ (1 名) | 21.0万円 |
| Employment Pass (KL の Sdn Bhd・MDEC 適合の会社) | 63.0万円 + 当局費用(実費) |
| Employment Pass (KL の Sdn Bhd・ESD 経由) | 85.0万円 + 当局費用 約11.2万円(合計 96.2万円) |
料金は 2026-09-20 改定の料金表 (日本円・税別) です。含まれるものと更新の料金は 料金表 をご覧ください。MM2H と DE Rantau の申請のサポートは、ご家族の人数と書類の状況をうかがってお見積りします。会社の設立と維持の費用は 設立費用と年間維持費 にまとめています。
税金 — マレーシアの居住者になる条件と、日本側で確かめること
マレーシア側
マレーシアでは、1 年 (1 月〜12 月) に 182 日以上 滞在すると、原則として所得税の居住者になります (所得税法 (ITA 1967) 第 7 条。182 日に満たなくても、前後の年とつながる滞在などで居住者になる場合があります)。居住者の個人所得税は、課税所得に応じて 0%〜30% の累進税率です。
国外で得た所得の扱いや、ビザごとの課税の違いは、所得の種類と個別の事情で変わります。
日本側
日本の所得税では、居住者かどうかを 国内に住所 (生活の本拠) があるかどうか で判定します。滞在日数だけで決まる「183 日ルール」は、日本の所得税法にはありません。住居・職業・資産の所在・親族の居住状況などの事実で判断されます (国税庁 タックスアンサー No.2012)。
| 確かめること | 要点 | くわしく |
|---|---|---|
| 居住者かどうか | 住所 (生活の本拠) で判定。日数だけでは決まらない | 日本側で必要な手続き |
| 国外転出時課税 (出国税) | 出国の時に有価証券などが 1 億円以上あり、出国の前 10 年のうち国内に住んだ期間が 5 年を超える方は、売っていなくても含み益に課税される | 国外転出時課税 |
| 住民票・健康保険・年金 | 海外転出届はあらかじめ出す。国民健康保険の被保険者ではなくなり、国民年金は日本国籍があれば任意で加入できる | 日本側で必要な手続き |
| 国外財産調書 | 日本の居住者の間は、12 月 31 日に 5,000 万円を超える国外財産があれば、翌年 6 月 30 日までに提出 | 国外財産調書・財産債務調書 |
| 海外への送金・出資 | 外為法の報告 (3,000 万円相当額を超える支払など) | 外為法の報告義務 |
| 海外の会社を持つ場合 | 外国子会社合算税制 (CFC 税制) で、日本側で所得を合算される場合がある | 外国子会社合算税制 |
| 日本に戻るとき | 出国税を取り消せる場合がある (期限あり)。住民票・年金の手続き | 帰国したときに起きること |
日本側の要点は、国税庁などの公表資料にもとづく 日本側で必要な手続き の要約です。制度は変わることがあり、さかのぼって適用された例もあります (制度変更の年表)。Bangga は税務代理・税務相談を行う事業者ではありません。具体的な判断は、税理士・所轄の税務署にご確認ください。
暮らしの準備 — 住まい・口座・滞在できる地域
- 住まい: MM2H は住宅の購入が条件です (Silver は RM 600,000 以上など。10 年間は売却できません)。DE Rantau と就労ビザの条件に、住宅の購入は含まれません。物件探しは、提携の不動産会社をご紹介します (Bangga は不動産の仲介をしていません)。
- ラブアンの就労ビザの住所: 申請と更新に、ラブアンでの居住住所が要ります。Bangga の居住住所プラン (5.5万円 / 月・税別) でご用意できます。
- 銀行口座: 就労のパスがあれば、個人の口座を開けます。銀行ごとの違いは 銀行口座の開設 にまとめています。
- 滞在できる地域: DE Rantau で滞在できるのは、マレー半島の各州とラブアン連邦直轄領です (サバ州・サラワク州へは、観光のパスで入ります。MDEC の FAQ A-16)。MM2H の SEZ/SFZ は、Johor 州 Forest City の物件の購入が条件です。
- 書類: DE Rantau の申請書類はすべて英語です (MDEC の FAQ B-5)。戸籍謄本などの日本の書類は、英訳と、申請先によっては認証が要ります。
移住までの流れ
- 目的と期間を決め、ビザを選ぶ — 働くかどうか、どのくらい住むか、ご家族はどうするか。
- 日本側の確認 — 出国税の対象になるか、住民票・年金をどうするか。税理士に相談する時期もここで決めます。
- 書類をそろえる — 英訳や認証が要る書類は、時間がかかります。
- 申請と審査 — 目安は、MM2H が書類の準備から 5〜9 か月、DE Rantau が書類がそろってから 6〜8 週間、KL の就労ビザ (Sdn Bhd) が 3〜6 か月 (ESD アカウントの開設審査 (2〜6 か月) を含みます)、ラブアンの就労ビザが 3〜6 か月です。
- 入国と現地の手続き — パスの発行、銀行口座、住まい。ラブアンの就労ビザは、ラブアンへのご渡航が必要です。
就労ビザ: 期間は、必要書類が揃い、お振込が完了した時点からの目安です。書類のご準備期間は含みません。 MM2H は書類準備から、政府の審査 (3〜6 か月)、入国後の手続きとビザシールの貼付までの合計の目安です。DE Rantau は MDEC の公式の処理の目安 (書類がそろってから) です。
Bangga がお手伝いできること
- 就労ビザ — KL の Employment Pass、ラブアンの就労ビザ、帯同家族のビザ (料金は 上の表)
- 会社の設立と維持 — Sdn Bhd・ラブアン法人 (設立費用と年間維持費)
- MM2H・DE Rantau の申請のサポート (お見積り)
- 住まい — 提携の不動産会社のご紹介
- 日本側の税務 — 提携の税理士のご紹介
ご契約とご請求は Bangga Inc.、日本国内の窓口は BlancBow Inc.、マレーシア現地の実務は Bangga Inc. から業務委託を受けた Bangga Global Sdn. Bhd. が担当します。
よくある質問
出典
確認日はいずれも 2026 年 10 月 1 日。
- MOTAC (観光芸術文化省) MM2H 公式ポータル (各ティアのページ) (2026-02-10 更新)
- MDEC「DE Rantau Pass FAQ」Version 10.0 (2026-08-28)
- 移民局 ESD (Expatriate Services Division)「Announcement 266」 (2026-01-15)
- Labuan FSA「Guidelines on Work Permit Application in Labuan IBFC for Licensed and Non-licensed Entities」5.1
- Hasil (マレーシア内国歳入庁)「Tax Treatment Residents & Non-Residents」
- 国税庁 タックスアンサー No.2012「居住者・非居住者の判定 (複数の滞在地がある人の場合)」 (令和 8 年 4 月 1 日現在法令等)