国際法人 7 法域比較 — どこで設立すべきか、 ロジカルに選ぶ
目安は、主な顧客がマレーシア国内なら Sdn Bhd (法人税 24%)、海外が中心で利益 (ご本人たちの給与を払ったあと) が年 約 1,500 万円以上ならラブアン法人 (実体要件を満たす年は 3%) です (2026 年 10 月時点・ご本人を含む常勤 2 名がラブアンで勤務する場合の試算)。
※ 2020 年〜2026 年 7 月の累計。法人設立・留学の数は、Bangga Group 3 社および Bangga が出資する提携パートナー法人の合算実績 (自社集計)。ビザ申請の承認率は、同期間に申請した案件のうち承認された割合 (自社集計)。
主要 7 法域 横並び比較表
| 項目 | Sdn Bhd MY | ラブアン | シンガポール | 香港 | ドバイ | ジョージア | セーシェル | 日本 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 法人税 | 24% ※ | 3% / 0% | 17% | 8.25–16.5% | 9% | 0–5% | 0% | 15% / 23.2%※4 |
| 個人所得税 | 0–30% | 0–30% | 0–24% | 2–17% | 0% | 20% | 0–15% | 所得税 5〜45% + 住民税 10%※5 |
| 配当課税 | 非課税 ※ | 0% ※ | 0% | 0% | 0% | 5% | 0% | 総合課税 (最大 約 49%)※2 |
| VAT/消費税 | SST 6–8% | SST 6–8% | GST 9% | なし | VAT 5% | VAT 18% | VAT 15% | 10% |
| 外資 100% | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 最低資本金 | RM 1 | 定めなし (1 株〜) | SGD 1 | HKD 1 | Zone別 | なし | USD 1 | 1 円 |
| 設立コスト | Bangga 60.0万円〜 | Bangga 120.0万円 | 相場 ¥30-50万 | 相場 ¥10-30万 | 相場 ¥60-200万 | 相場 ¥3-8万 | Bangga 個別見積り | 相場 ¥25 万 |
| 銀行口座 | 銀行の審査あり (目安 1〜3 か月) | 銀行の審査あり (目安 1〜3 か月) | 厳しい | 非常に厳しい | 普通 | 容易 | 難しい | — |
| 監査 | 免除あり | 必須 | 免除あり | 必須 | Free Zone は免除 | 免除あり | 免除 | — |
| 日本租税条約 | ○ | ×※6 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | — |
| Bangga の対応 | ○ | ○ | — | — | — | — | ○ | — |
出典: LHDN / Labuan FSA / IRAS / IRD / FTA / Revenue Service Georgia / Seychelles FSA / PWC Tax Summaries 2025。
※ 日本-香港租税協定は 2011 年 8 月発効、2018 年改正議定書発効済。詳細は財務省・国税庁 日本-香港租税協定を参照。
※ Sdn Bhd の法人税: 外資 20% 超は 24%、外資 20% 以下の中小は 15〜17% (Finance Act 2023 (Act 845))。
※ 配当課税: Sdn Bhd は単一課税制度 (Single-tier) で配当時は非課税、個人の配当が RM 10 万を超える部分は 2% (Budget 2025)。ラブアン会社がラブアン事業の所得から払う配当は、受け取る人の所得税が免除され、個人の配当課税 2% (RM 10 万超) もかかりません (Income Tax (Exemption) Order 2025 [P.U.(A) 59/2025]、YA2023〜2027)。
※ 設立コストのうち、マレーシアの 2 列は Bangga の正規料金 (日本円固定・税別)。Sdn Bhd は SSM の登記手数料 RM 1,000 と関係機関へのデータの共有 RM 10 (社名を先に予約する場合は RM 50 が加わる)が別途、ラブアンは FSA 登録料込み。セーシェルの Bangga の料金は個別にお見積りします。«相場» と書いた額は一般的な相場で、Bangga の料金ではありません (日本の列も一般的な相場です)。マレーシアの法人設立を日本語で頼める事業者の料金は、依頼先の比較 (広告)に出典つきで並べています。
※ «Bangga の対応» の — は、Bangga が設立を扱っていない法域です (ほかの事業者の日本語の対応の有無ではありません)。
※2 日本: 非上場の自社の配当 (ご本人が大口株主 = 発行済株式の 3% 以上) は総合課税で、ほかの所得と合わせて所得税 5〜45%・復興特別所得税 2.1%・住民税 10% がかかり、配当控除 (所得税 10%、課税所得の 1,000 万円を超える部分に当たる配当は 5%。住民税 2.8% / 1.4%) を引きます。いちばん高い段階では 約 49.4% ((45% − 5%) × 1.021 + 住民税 (10% − 1.4%))、所得が低いほど下がります。支払いのときに 20.42% を源泉徴収し、確定申告で精算します。上場株式の配当 (大口株主以外) は 20.315% の申告分離課税なども選べます。出典: 国税庁 (No.1330 配当所得・No.1250 配当控除・No.2260 所得税の税率)、東京都中央区 (住民税の配当控除の率)。
※4 日本の法人税は、中小法人 (資本金 1 億円以下) で年 800 万円以下の部分 15%・超える部分 23.2% です (国税庁 No.5759)。地方法人税・法人住民税・事業税などを足した実効税率は、東京都 23 区・資本金 1,000 万円以下・年所得 2,500 万円以下の場合で所得 400 万円以下 約 21.4%・800 万円以下 約 23.2%・800 万円超 約 33.6% です (税負担シミュレーターと同じ計算)。大法人の実効税率は 29.74% (財務省・標準税率。防衛特別法人税の対象なら 30.64%)。
※5 日本の個人の税は、所得税 (課税所得に応じて 5〜45% の 7 段階。国税庁 No.2260) と、住民税の所得割 (標準税率 10%。総務省) の 2 つです。所得税には、復興特別所得税 (所得税額の 2.1%。令和 9 年 (2027 年) 1 月以後の所得は 1.1%) が加わります。
※6 ラブアン: 日馬租税条約の議定書 5(b) は、ラブアンのオフショア事業活動の課税特例法 (現在の LBATA) に基づいて事業を行う者に、条約の租税の軽減・免除を適用しないと定めています。ラブアン法 (3%) で課税されるラブアン法人には、日本からの配当・利子・使用料などに条約の軽減税率は使えません。出典: 財務省「日本国とマレーシアとの間の租税条約」(統合条文) 議定書 5 (2026-10-03 確認)。
事業形態別の選び方の目安
税率・制度の表 (上) をもとにした当社の見方です (2026 年 10 月時点)。向き・不向きは事業の中身と目的で変わります。
Sdn Bhd マレーシア
マレーシア国内で実店舗・物販・飲食・不動産・サービス業を行う場合の第一選択。EP 取得で家族移住も可。住居費・交際費など、経費の扱いの日本との違いは経費算入ルールにまとめています。
ラブアン IBC
国際取引中心 (海外顧客 70%+)、IT/コンサル/トレーディング向け。Substance 充足で 3% 税率を実現。実体の費用がかかるため、Sdn Bhd より有利になるのは利益 (ご本人たちの給与を払ったあと) が年 約 1,500 万円
シンガポール
金融・投資・SaaS の地域の本社に使われることが多い法域です。銀行口座の審査は厳しめで、上場や資金調達を考える場合の選択肢になります。
香港
中国本土との取引が多い場合の選択肢です。銀行口座の開設が難しくなっている点に注意が要ります。
ドバイ
個人所得税が 0% です。設立の費用と物価が高めなので、利益の規模によって向き・不向きが分かれます。
ジョージア
EU に近い小国で、フリーランス・個人事業の小さな事業で使われる例があります。条件は個別に確かめてください。
セーシェル IBC
セーシェル国外の所得は同国で課税されないオフショア法人です。日本の居住者・日本法人が株主の場合は、CFC で日本で合算されることが多くあります。銀行口座の開設が難しく (実際はラブアンや香港などの銀行を使う)、資産保有・知財管理に使われます (大規模な企業グループに属する会社は、配当・使用料などの受動的な所得に、セーシェルの経済的実体の基準がかかります)。
判断フロー
└ マレーシア国内 → Sdn Bhd
└ 海外 (日本以外) → STEP 2
└ 日本顧客のみ → 日本法人を維持しつつ、マレーシア / ラブアンで個人を非居住者化
└ 約 1,500 万円
└ 約 1,500 万円
※ 既定の条件 (Trading・ご本人を含む常勤 2 名がラブアンの就労ビザで勤務・Bangga の現地拠点プラン C/D・1 RM ≒ 38.5 円 (BNM 仲値、2026-09-30)) での目安で、条件で変わります。税負担シミュレーターで試算してください。日本の居住者が株主の場合は、外国子会社合算税制 (CFC) で合算されない前提です。
└ Sdn Bhd → Employment Pass (2026 年 6 月 1 日〜 Cat I は基本給が月 RM 20,000+ / 期間 10 年)。家族は Dependent Pass
└ ラブアン → Labuan Work Pass (月の収入 RM 10,000 以上)。家族は Dependent Pass
└ 会社で働かず、海外の仕事をリモートで続ける → DE Rantau
※ 数え方が違います。EP の給与は基本給だけで数え、手当などは含めません (ESD «Revised Expatriate Salary Policy» FAQ 9)。ラブアンの就労許可のガイドライン 5.1 は、収入に基本給のほか手当・現物給付・住居の価額・手数料を含めてよいとしています (Labuan FSA 就労許可のガイドライン 5.1)。ただし 2026 年 6 月 1 日の EP の改定のあとの数え方は、通達 337/2026 に書かれていないので、申請の前に Labuan FSA に確かめてください。2026-10-07 確認