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2026 年版 · マレーシア法人設立

Employment Pass — マレーシア就労ビザの完全取得ガイド (2026/6/1 改定対応)

2026 年 6 月 1 日からの Employment Pass (EP) の最低給与 (月給) は、Category I が RM 20,000・II が RM 10,000・III が RM 5,000 です。有効期間、Succession Plan、必要書類、申請の流れ、家族帯同 (Dependent Pass)、EP 取得時の払込資本金 (100% 外資 RM 500,000) まで、新しい基準で解説します。

最終更新: / 執筆: Bangga 編集部

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98% ビザ申請の承認率※
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※ 2020 年〜2026 年 7 月の累計。法人設立・留学の数は、Bangga Group 3 社および Bangga が出資する提携パートナー法人の合算実績 (自社集計)。ビザ申請の承認率は、同期間に申請した案件のうち承認された割合 (自社集計)。

Employment Pass — 2026 年 6 月 1 日からの大幅改定

内閣承認: 2025 年 10 月 17 日 / 公式発表: 2026 年 1 月 15 日 (ESD Announcement 266) / 施行: 2026 年 6 月 1 日

2026 年 5 月 31 日以前に申請した EP は旧制度で承認 (transitional regulations)。新規・更新は 2026 年 6 月 1 日以降の新基準が適用されます。

EP の 3 カテゴリ (2026/6/1 改定対応)

カテゴリ〜2026 年 5 月 31 日2026 年 6 月 1 日〜有効期間 (新)Succession Plan家族帯同
Category IRM 10,000+RM 20,000+最大 10 年不要○ 配偶者 + 18 歳未満の子
Category IIRM 5,000–9,999RM 10,000–19,999最大 10 年
(Succession Plan つき・2027 年 1 月 1 日から)
必要
(2027 年 1 月 1 日から)
○ 配偶者 + 18 歳未満の子
Category IIIRM 3,000–4,999RM 5,000–9,999
(製造業・製造関連サービスは RM 7,000–9,999)
最大 5 年
(Succession Plan つき・2027 年 1 月 1 日から)
必要
(2027 年 1 月 1 日から)
○ (新規開放)

※ Category III の最低給与は、製造業と製造関連サービス (MITI・MIDA の所管) の会社では RM 7,000 です。製造業は製造ライセンス (Manufacturing Licence) か製造の免除の確認書 (Manufacturing Exemption Confirmation Letter) を持つ会社、製造関連サービスは MIDA の優遇措置・ステータス・補助金の承認を得たサービスの分野の会社です (ESD の FAQ 10)。

※ 最低給与は、マレーシアで課税される月の基本給で数えます。手当・インセンティブ・賞与と、マレーシアの外で払われる給与は含みません (ESD の Booklet・FAQ 9)。

Succession Plan = expatriate の任期中にローカル人材へ知識・スキルを移管する具体計画。Cat II/III の申請で雇用主が出すもので、提出の義務は 2027 年 1 月 1 日からです (ESD の Booklet)。計画に含めるものの例 (ESD の FAQ 4): ① 移管対象ポジション・職務の特定、② 訓練・メンタリング・知識移転計画、③ ローカル人材の能力到達までの妥当な期間、④ 移管時の業務継続性の確保。

出典: ESD MOHA Announcement 266 / MOHA FAQ 公式 PDF (38 Q&A) / MOHA 報道発表 (2026-01-14) / ESD «Revised Expatriate Salary Booklet» (Succession Plan の義務の開始日) / ESD «Revised Expatriate Salary Policy» FAQ (2026-02-12 更新版) 4・9・10 (2026-10-08 確認)

EP 取得時の払込資本金要件

形式上は RM 1 から Sdn Bhd 設立可能ですが、Employment Pass を申請するには会社の払込資本金が以下の額に達している必要があります。

資本構成必要な払込資本金
100% 内資 (マレーシア人のみ株主)RM 250,000 (約 963 万円)
JV (合弁・例: 日本 70% + MY 30%)RM 350,000 (約 1,348 万円)
100% 外資 (外国人のみ株主)RM 500,000 (約 1,925 万円)
WRT 分野 (卸売・小売・貿易) で外資 50% 超RM 1,000,000 (約 3,850 万円)
(一般業態。大型小売は RM 2,000万-5,000万)

1 RM ≒ 38.5 円 (BNM 仲値、2026-09-30) で換算。目安

Bangga で日本人創業者が「マレーシアに移住して EP を取る」場合、最も多いパターンは 100% 外資 + RM 500,000 払込。設立後に銀行口座へ実際に RM 500K を入金する必要があります。

払込資本金 RM 500,000 は会社の資産として法人口座に残ります。個人への引き出しは、取締役貸付 (Shareholders' Loan) などの手続きが別途必要です。

EP の申請母体は有効なマレーシア法人 (Sdn Bhd、Companies Act 2016 準拠) です。ラブアン IBC やシェルカンパニーは EP の申請母体になれません。

出典: ESD MOHA Operational Guidelines / MDEC Pre-Application Process

必要書類

会社側 (雇用主) 用意

  • 会社登記証明書 (Form 9 / SSM)
  • 株主構成 (Form 24)
  • 会社銀行残高証明 (払込資本金額が口座に着金しているもの)
  • Authorisation Letter
  • 事業計画書 (新設会社の場合)
  • Succession Plan (Cat II / III の場合。提出の義務は 2027 年 1 月 1 日から)

申請者 (本人) 用意

  • パスポート全頁
  • 顔写真 (薄い青の背景、縦 50mm × 横 35mm。枚数は ESD の案内に従う)
  • 履歴書 (CV)
  • 最終学歴の学位証明書 (英語以外は英訳を付け、駐日マレーシア大使館・在マレーシア日本国大使館などの大使館・領事館、または雇用会社の人事責任者の認証を受けた写し = Certified True Copy)
  • 職務経歴証明書 (前職)
  • 雇用契約書 (Employment Contract)
  • 健康診断書 (マレーシア指定病院)

マレーシアはアポスティーユ条約の締約国ではないため、日本の書類は ESD の案内どおりの認証を受けます。出典: ESD Online Guidebook V6 (2025-04) / HCCH アポスティーユ条約の締約国一覧

事業実態 (Substance) の整備 — 申請前に済ませる

EP 申請で見落とされやすいのが「会社の実態 (Substance)」の証明です。移民局は単なるペーパーカンパニーへの就労許可発行を厳しく制限しています。審査で確認される実態は次のとおりです。

  • 事務所: ESD の会社登録で、事務所の賃貸借契約書 (または売買契約書)・会社の電話料金の請求書・会社の紹介資料 (Company Profile) を出します (ESD の FAQ「ESD Company Registration」)
  • 事業活動の証拠: 受発注書、取引先との契約書、銀行口座の入出金履歴
  • マレーシア人雇用比率: EP 保有者 1 名につきマレーシア人従業員 3〜5 名を求められるケースがある (業種・会社規模による)
  • 法人税申告: 設立後 1 期目でも税務登録 (TIN 取得) と年次申告が完了していることが望ましい

設立直後でゼロ売上でも申請は可能ですが、事業計画書 (Business Plan) の品質が審査の鍵を握ります。市場規模・収益モデル・雇用計画を数字ベースで記載した 20〜30 ページの書類を準備してください。

申請プロセスと所要期間

#ステップ所要
1会社の ESD アカウントの開設審査 (ESD への会社登録。初回だけ)2〜6 か月
2会社が ESD (MyEG) で EP 申請開始1 週間
3ESD 審査 (Expatriate Services Division)2-3 週間
4VDR (Visa with Reference) 発行1 週間
5eVISA で SEV を取得 (オンライン)2-7 営業日
6マレーシア入国 + 健康診断渡航後 7 日以内
7パスポートに EP シール貼付2-3 週間
合計—3〜6 か月 (ESD アカウントの開設審査 2〜6 か月を含む)

各行の期間は目安です。書類の準備と審査には並行して進むものがあるため、合計は各行の足し算にはなりません。

申請は ESD (Expatriate Services Division) のオンラインポータル (esd.imi.gov.my) から行います。申請料は RM 2,000 (SST 8% 込みで RM 2,160) で、2024 年 9 月 1 日に改定されました (ESD 料金表)。

審査で落ちやすいポイント

  • 月給設定がカテゴリ最低額ギリギリで、会社の財務規模と不釣り合いに見える
  • 学歴・職歴と申請役職のミスマッチ (例: 文系卒で CTO を申請)
  • 雇用契約書の業務内容が抽象的すぎる
  • 法人設立直後 (1〜3 か月以内) で取引実績がゼロ

EP vs MM2H vs Labuan Work Pass の比較

項目EP (Sdn Bhd)MM2HLabuan Work Pass (WP)
取得条件会社設立 + 雇用25 歳以上 + 資金 + 不動産ラブアン法人設立 + Substance
有効期間5-10 年 (新基準)5 年 (Silver) / 15 年 (Gold) / 20 年 (Platinum)承認のときに決まる (Labuan FSA のガイドラインに定めの記載なし)
就労○× (Platinum のみ可)○ (ラブアン業務のみ)
家族帯同○ 全 Cat (新基準)○○
取得期間3〜6 か月5〜9 か月3〜6 か月
初期コストRM 30-50K (法人 + EP) + 払込資本金USD 150K-1M FD + 不動産 RM 600K-2M+ (外国人の購入の下限は国の指針で RM 1M)設立 120.0万円 + ビザ 68.0万円 + Substance 実費

家族帯同 (Dependent Pass)

2026 年 6 月 1 日以降は、EP Category I/II/III すべてのカテゴリで、配偶者と 18 歳未満の子を Dependant Pass で同伴できます (Cat III は新規開放)。18〜25 歳の子は、Dependant Pass ではなく Long-Term Social Visit Pass (LT-SVP) の対象です。

  • 費用 (1 名あたり): ESD の申請料 RM 500 (SST 8% 込みで RM 540)、入国管理局のパス料 RM 90/年、処理料 RM 50 (1 件ごと)、国籍によってはビザ代 (ESD 料金表、2024 年 9 月 1 日改定)
  • 必要書類: 結婚証明書、子は出生証明書 (英訳は大使館・領事館か Institut Terjemahan & Buku Malaysia によるもの。駐日マレーシア大使館 または 在マレーシア日本国大使館の認証を受けた写し = Certified True Copy。新規の申請では、その年に認証を受けたものが必要)
  • 配偶者が働くには、配偶者ご本人の Employment Pass の申請が要ります (ESD)
  • 子は私立校・インターナショナルスクールに通学可
  • 親・義親は、EP 保有者が Category I の場合、Long-Term Visit Pass (就労不可) の対象

出典 (2026-10-03 確認): 必要書類 = ESD Online Guidebook V6 (2025-04) / 費用 = ESD 料金表 (2024-09-01 改定) / 対象の家族 = ESD「Revised Expatriate Salary Policy」(2026-06-01 施行)・ESD «Dependant Pass»

よくある落とし穴

職種名と業務内容が一致していない

「CEO」「Founder」などの職種で EP を申請する場合、その職種がマレーシア国内の労働市場で不足しているかという観点から審査されます。「Chief Technology Officer」「Head of Product」など具体的な専門職タイトルと、対応するスキルセットを雇用契約書・職務記述書に詳述するほうが通過率が上がります。

EP 承認後に給与支払いを止める

EP は「雇用の継続」を前提に有効です。給与の銀行振込を止めた場合、更新審査または抜き打ち調査で不承認・取り消しになるリスクがあります。

よくあるご質問

Q. ラブアン IBC でも EP を取得できますか?
A. ラブアン IBC はオフショア法人であり、マレーシア本土での事業活動を原則として行えません。EP の申請母体にはなれないため、本土での居住・就労を目的とする場合は Sdn Bhd が必要です。ただし Sdn Bhd とラブアン IBC を併設し、ラブアン側で国際取引、Sdn Bhd 側で EP を取得するという二層構造を採用するスタートアップもあります (ハイブリッド構造)。
Q. 設立したばかりの法人 (売上ゼロ) でも申請できますか?
A. 可能ですが、代わりに詳細な事業計画書・財務予測 (3 年分) と資本金の厚みで審査官を納得させる必要があります。売上実績がある場合より審査は厳しくなります。
Q. EP の更新はどうすればよいですか?
A. 1 回の申請で認められる雇用期間は最長 60 か月で、カテゴリごとの通算の上限 (I・II は 10 年、III は 5 年。II・III の長い期間は Succession Plan つきで 2027 年 1 月 1 日から。同じ雇用主で数える) の範囲で更新します。更新は満了の 3 か月前から申請できます (ESD FAQ)。更新時は最新の財務諸表・監査報告書・税務申告証明 (LHDN) が必要です。会社が黒字である必要はありませんが、事業継続の実態が求められます。
Q. MM2H との違いは?
A. MM2H (マレーシア・マイ・セカンドホーム) はリタイアメント系の長期滞在ビザで、就労は原則禁止です (Platinum のみ可)。EP は就労・経営を前提としたビザです。目的・要件が根本的に異なります (MM2H の取得要件)。

法人税・個人所得税の取り扱い、ラブアン IBC との組み合わせは、個別の税務・法務状況によって大きく異なります。最終的な判断は、マレーシア法資格を持つ弁護士・公認会計士にご相談ください。

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