一定の資産をお持ちの方が日本を出るとき、実際に売っていなくても含み益に課税される制度です。平成27年7月1日以後の国外転出に適用されます。
このページは制度の概要をご案内するものです。実際に適用されるかどうかは個別の事情により異なります。具体的な判断は税理士・所轄税務署にご確認ください。当社は税務代理・税務相談を行う事業者ではありません。記載は 2026-09-20 時点で確認した内容です。
対象になるのはどんな方か
TWO CONDITIONS
国外転出の時に、対象資産の価額の合計が 1億円以上
国外転出の日前10年以内に、国内に住所または居所を有していた期間の合計が 5年を超える
両方に当てはまる方が対象です。片方だけでは対象になりません。
条文は「一億円未満である居住者については、適用しない」(所得税法60条の2第5項)と定めています。つまり、ちょうど1億円の場合は対象になります。居住期間は逆に「五年以下である居住者については、適用しない」ため、5年ちょうどは対象外です。同じ「しきい値」でも語尾によって扱いが変わります。
| 対象資産 | 有価証券(株式・投資信託など)、匿名組合契約の出資持分、未決済の信用取引・発行日取引・デリバティブ取引 |
|---|---|
| 課税される中身 | 国外転出の時に、その対象資産を譲渡したものとみなして譲渡所得等が計算されます |
申告と納税の期限
納税管理人の届出をするかどうかで、申告の期限が変わります。ここを取り違えると、出国の当日までに申告と納税が必要になります。
| 納税管理人の届出をした場合 | その年分の確定申告期限までに申告・納税 |
|---|---|
| 届出をしない場合 | 国外転出の時までに準確定申告と納税が必要(所得税法127条1項) |
納税猶予を受けるには
担保の提供などの要件を満たす場合、国外転出の日から5年間(延長の届出により最長10年間)納税が猶予されます。受けるには、次の3つをすべて満たす必要があります。
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確定申告書に、納税猶予の特例の適用を受けようとする旨を記載する
要件1一定の書類の添付も必要です。
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確定申告書の提出期限までに、担保を提供する
要件2猶予される所得税額および利子税額に相当する担保です。
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国外転出の時までに、納税管理人の届出をする
要件3出国してからでは間に合いません。所轄税務署への届出です。
猶予を続けるための届出
猶予は自動では続きません。各年の12月31日において所有等している適用資産について、引き続き特例の適用を受けたい旨を記載した継続適用届出書を、翌年3月15日までに所轄税務署へ提出する必要があります。
提出期限までに出さなかった場合、その提出期限から4か月を経過する日をもって納税猶予に係る期限が確定します。うっかり出し忘れると、猶予そのものが終わります。
猶予が終わるとき、取り消せるとき
4 MONTHS
国外転出の日から 5年以内(期限延長の届出をしている場合は10年以内)に帰国し、その時まで引き続き所有している対象資産。
→ 帰国の日から 4か月以内に、更正の請求または修正申告
納税猶予を受けている適用資産に、譲渡・決済・贈与があった場合。
→ その日から 4か月を経過する日に、対応する部分の猶予期限が確定
継続適用届出書の出し忘れも含め、期限はいずれも「4か月」です。
帰国して課税を取り消せる場合は、国外転出時課税の適用がなかったものとして扱われます。ただし期限を過ぎると取消しを受けられません。
出典
- 国税庁 No.1478 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例対象者・対象資産・申告期限・納税猶予の要件・継続適用届出書・帰国時の取消し